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2018. 05. 23
「美術の窓」田邊会長の連載 第8回
「美術の窓」vol.417 2018年6月号 P70〜P71

矛と盾

連載 第8回 夕焼け小焼け
 
 やや紫がかった赤を基調とする、独特の滋味深い色彩。日が傾き、刻一刻とその表情をドラマチックに変えていく夕刻の空を想起させる。港町・横浜のシンボルの一つである赤レンガ倉庫。特徴的な三角屋根がぼんやりと画面に浮かび上がっている。その傍らにはカラスの姿。時間は日暮れ前、そろそろ山へ帰ろうとしているのであろうか。子どもの頃によく聴いた、「夕焼け小焼け」の歌が聞こえてきそうだ。友だちと遊んでいるとあっという間に時間が過ぎていき、気付くと家族の待つ家に帰らなくてはいけない時間になっている。深い赤に染まった夕暮れの空の色とカラスの存在が、誰しもが経験した幼少時代の気持ちをふと思い起こさせる、ノスタルジックな情景を作り出している。

関連サイト:
田邊哲人 作品集