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懐かしい子ども時代に戻って、スポーツ感覚でチャンバラを スクリーンの中で、バッタバッタと悪人をやっつける大河伝次郎や市川右太衛門、はたまた片岡千恵蔵ら往年の剣劇俳優をまね、木の棒を振り回して夢中で遊んだ子ども時代。そのチャンバラが、現代的なスポーツとしてよみがえった。老いも若きもともに楽しめる、スポーツとチャンバラを合体させた「スポーツチャンバラ」の魅力を探った。 チャンバラがスポーツに 大人も夢中になる新競技 神奈川県横浜市に、「国際スポーツチャンバラ協会」がある。 会長である田邊哲人さんが1971年に、「安全」「公平」「自由」の3原則を掲げてスポーツチャンバラを発案。その後、賛同者や門徒を育成し、70年代後半に現在の国際スポーツチャンバラ協会を結成した。田邊さんは、スポーツチャンバラ誕生のいきさつを次のように語る。 「中高年以上の方なら、だれもが子どものころに、野原でチャンバラごっこをして遊んだ経験があるはず。時間の経つのも忘れて夢中になって楽しんだと思います。ところが時代はすっかり変わり、遊ぶ場所がなくなり、チャンバラも忘れ去られてしまった。これではいけないと思い、体育館やスポーツクラブなどで、安全で健康的な現代スポーツとしてチャンバラができるようにと考え出したのがスポーツチャンバラ、通称『スポチャン』です。」 以来、各地で競技会の開催や啓蒙活動を、約30年間にわたって地道に続けてきた。その結果、現在、協会の会員は25万人、インストラクターなどの公認指導員が2600人ほどまでに増えた。 支部は国内各地で結成され、オーストラリア、アメリカ、韓国、フランスなど、遠く海外にも賛同者が広まった。田邊さんは、スポーツチャンバラは今や日本を飛び出し、世界に広がる新しいスポーツだと強調する。14年前からは毎年夏に、世界選手権大会が開催されている。 「チャンバラというと、日本人にしか理解されないと考えている人も多い。しかし実際には、日本人以上に興味を示す外国人が多数いて、年をおってスポーツチャンバラの理解者が増加しています。現に、オーストラリアやアメリカでも大会が開催され、大勢の人が参加していますし、韓国やフランスなどでも普及活動が順調に進んでいます。」 大人と子どもが楽しめる さまざまな工夫をこらす 競技としてのスポーツチャンバラは、剣の長さや種類の違いで8つの種目に分けられて行われる。 (1)「短刀」の部(全長45cm以下) (2)「小太刀」の部(全長60cm以下) (3)「両手長剣」の部(全長1m以下の長剣を用い、原則的に両手で持って行う) (4)「片手長剣」の部(両手長剣の部と同じ長剣だが、持つのはフリーハンド) (5)「二刀流」の部(小太刀と長剣の2本を使用) (6)「楯と小太刀」の部(左手または右手にスポンジ製の楯を持ち、右手にまたは左手の小太刀で戦う) (7)「棒・杖」の部(全長2.1m以下で、上下どちらからでも打てる) (8)「槍・ナギナタ」の部(全長2.1m以下) 試合は、3分間・1本勝負が原則。相手の身体のどこかを打てば勝ちとなり、相打ちの場合は両者ともに負けとなる。6〜7メートルの長方形のコートで試合が行われる。 しかし、これらはあくまでも原則だと田邊さんは言う。 「実は、スポチャンはほかにもさまざまなバリエーションが用意されています。例えば『対戦』という1人対1人で行う一般的な試合のほかに、1人対3人というのもある。同人数ではない形式を『乱戦』と呼んでいます。乱戦にもいろいろあり、体育館やグラウンドなど広いスペースが確保できれば、30人対30人といった集団で戦う『合戦』に変化します。これは昔の戦ごっこ。人数さえ集まれば50人対50人というのも不可能ではありません」 ほかに、60センチの小太刀と1メートルの長剣で戦う形式もある。これは、力や身体の大きさに差のある子どもと大人が対戦できるようにと考案されたもの。 |