スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
インタビュー記事No.31
「本部主催講習会(上半期)」

田邊哲人会長
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先生が直接講習している巡回講習会も半年が過ぎますが、各地での講習会は如何ですか?


  九州地区(熊本県熊本市)、近畿地区(兵庫県神戸市)、中国地区(島根県松江市)、四国地区(香川県高松市・高知県高知市)、中部地区(長野県駒ヶ根市)、関東地区(群馬渋川市・東京都)、東北地区(山形県山形市)、北海道地区(札幌市)等、上半期あまりで主なる全国の地区は概ね回りましたが、更にまだ行けなかったところを下半期は回らなければならないでしょうね。

  各地区の習熟度の総評を若干かい摘んで述べると、部内種目(小太刀、長剣フリー、二刀)については、概ね指導手順に落ち度はなく、順調に技術は進歩していると思います。しかしながら、部外種目(短刀、短槍、長剣両手、棒、杖、長槍、基本動作)については、基本を理解していないために、ただの打ち合い、突き合いになっている事が心配されます。基本を分解して理解していなければ、その部分的な奥深い技術指導はできません。またそれらを教えられなかった少年たちへは、基本の指導が不完全、即ち未指導の負の連鎖が連綿と続いていってしまう事になるのです。また理合を十分理解しない指導者は、スポチャンの理念である"安全"、"公平"、"自由"の根拠も理解しないままと言うことになるのでしょう。

2009年ヨーロッパ講習会 in ポーランド

ヨーロッパ講習会 in ポーランド ワルシャワ 「短槍の理合い」の説明 田邊会長と細川先生



エアーソフト剣を使用していても安全に不安があるのですか?


  そうですね。
  例えば長槍、短槍は、その太(ふと)(75mm)の剣を直線的に強い力で対戦者の面や喉、胸、腹を突けばそれは極めて危険で、なぜなら、いかにエアーソフト剣と言へども直線では一本の堅い棒状となり、「空気を1,2割抜いておかないと」強い衝撃を相手に与えることとなります。また試合等で夢中になっている選手は、全く手加減はしない選手が多いようです。大人でもかなり痛いですよ。痛いと言うより危険ですね。それに加え「当たっていない」などの異議があれば、「よし!もっと分かり易く強く突いてやろう」と言う気持ちが起きる事もあるでしょう。まさに「思いっきり突こう状態」ですね。そのような試合になれば、自信のない審判員では止めることができません。

  ただ大会で優勝したからと言っても、私はその人が槍が巧いから優勝したとばかりは思えない人もいます。槍が巧いということは、剣先を見ていれば直ぐに判ります。相手を傷つけないという配意がそこには必ず見えるはずです。見ていて有段者とは到底思えない選手が、まぁまぐれで優勝したということになるのでしょうか。これは基本中の基本の手の内、「一寸当て止め」ができていないのです。また技の完成と言うべき「残心」ができないのですね。めちゃくちゃに突きまくって審判が手を挙げたら勝ちなどという安易な、極めて低レベルな試合を散見します。これらが幼年、少年に悪影響を与えることになります。それは子ども達の投げ込み突きを見ていると判ります。全く手の内、手加減のない怖い突き方をしています。これら使術を放置しておけば、やがて事故につながるでしょう。事故の未然防止の観点から「事故の予見可能義務違反」を問われることもあるやもしれません。このスポーツで"安全"の担保は重要な責任ですから、関係者全員が負わされている事を十分理解して練習や試合を注目、監視しなければなりません。

  これらを解決するためには、エアーを少し抜くようにして、指導手順は本部主催講習を受け、「手の内の重要性」「突き過ぎの戒め」「残心の完成」、先ずこれらを必ず習得の一歩とすることが先決でしょう。

長槍、短槍の指導方法と段級の審査方法
長槍、短槍の指導方法と段級の審査方法



指導するという意味の重大さを、あらためて認識しました。
本部主催の講習会の講習はどのような内容ですか?


  講習会では主に、各種1級審判、短槍の講習の他、受験希望者があれば部内種目(小太刀、長剣フリー、二刀)の高段審査、部外種目(短刀、短槍、長剣両手、棒、杖、長槍、基本動作)の講習及び段審査も行います。希望種目を前もって本部へお知らせ下さい。

  各地区の講習会は、全国どこからも参加自由です。自分をもう一度磨く心があれば参加して下さい。参加希望者は県担当者へご連絡下さい。 公認支部は、遠慮せずに講習会の開催を企画し本部へ申請して下さい。 (但し、他のスケジュールと重ならないよう、ご注意下さい。)

2009年ヨーロッパ講習会 in ポーランド

ヨーロッパ講習会 in ポーランド ワルシャワでの講習会も多くの方が熱心に受講しました。
参加国:ポーランド・ロシア・エストニア・ドイツ・フランス・イタリア・チェコ・エジプト・ルーマニア
また日本で開催される世界大会でお会いしましょう!





有り難うございました。
次回のインタビューもお楽しみに!!

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