スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
インタビュー記事No.24
「1級審判員及び1級審判員講師講座について 」

田邊哲人会長
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1級審判員が基本動作の他、幾つかの種目でも設置されました。


  本部では15年位前から、審判資格の審査及び、地方大会での審判員を各都道府県市区町村毎の指導者に委嘱しておりました。
審判講習の内容も、良き指導者を得て、打突競技の小太刀の部をベースとして旗の持ち方・上げ下げの仕方・渡し方・礼の仕方・裁定の方法というものがベーシックコースであり、審判員試験を受け80点(100点満点)を取れば、後は実践で実際に審判を経験し腕を磨いて貰うという方法でした。それに関しては小太刀・長剣フリー・二刀等の打突競技には十分に対応できる審判員が養成できました。その分には不足は無いのですが、正式種目である基本動作審判の養成には、いささか物足りないものがありました。

  基本動作に判定が定まらない理由は、着眼点がまちまちだったようです。 基本動作の重要な部分をポイントで表すと、土台の安定(下半身の安定)が50ポイント、気剣体の一致活動が30ポイント、そして運足活動が10ポイント、あとは枝葉である手足の向き、目の付け所が10ポイントくらいの割合と私は指導しています。 しっかりした安定感のある下半身に、安定した運足(踏み込み)と身体の移動は、小人や初心者には一足から指導し、下半身が安定してきたら次ぎに一足半、そして上級者は二足踏み込むようになります。身体が安定しないと二足前へ出て身体がぶれずにピタッと止まることは出来ません。この動作は小人や初心者にはいきなりは難しいので、段階をつけて指導していきます。
  この様に基本動作は打突競技と全く違うものです。今までの審判員には、打突競技と基本動作の両方を勉強のために担当してもらっていましたが、今や世界各国の人々が参加するような大きな大会や又、いつも親子で大会に参加する人などは、ビデオで試合を撮影し、家に帰ってから一家団欒の中でくり返しくり返しこのビデオを見てチェックし、親子の会話から知らず知らすの内に子ども達は上達しますし、父兄も目が肥えてきます。不審感を持たれるような判定はできないでしょう。そこで基本動作1級審判員が必要なのです。

  基本動作1級審判員の認定方法は、『目合わせ審判法』と言う方法で実施しています。目合わせ審判とは実際に10試合を判定し8回合わないと合格しません。詳細は以前、【インタビュー記事No.14】でもお話ししましたが、実際は全部で20試合を判定します。先ず、第1回目として10試合の判定を行い採点します。10回の判定の全て合い、100点満点の人もいますよ。そして更に第2回として10試合の判定を行います。1回目、2回目とも100点の人もいれば、両方とも合わない人もいます。いつも自分だけ旗の色が違うと目立ってしまいますし、自分自身でも自信がなくなってしまいます。そういう人は、着眼点、即ち見るポイントが少しちがっているかもしれませんね。着眼点を等しく理解し、そして極めて普通の感覚で見ればいいのです。別に難しくありません。下半身がしっかりして安定していれば、剣道でもサッカーでも野球でも姿は美しいものです。                

  また基本動作以外の種目でも、スポチャンが世界に普及し、各国から選手が集まるようになった世界大会などでは、地方大会では殆ど実施されない槍や短刀などの種目も正式種目として実施されています。外国選手のレベルは極めて高く、又、国別対抗戦などでは言葉の壁や民族性の違いを理解しなくてはなりません。審判員も相応の高いレベルの判定が求められるようになってきています。

世界大会での基本動作審判の様子
世界大会で基本動作の審判を担当する各国の審判員



他の種目はどうなりますか?


  以下のように審判のカテゴリーはまとまります。審判のベーシックはミディアムレンジ審判(小太刀・長剣フリー・二刀・長剣両手)なので、各地域の大会ではその資格で審判する事ができます。

  • ショートレンジ審判(Short Range Category Referee) 短刀・楯小太刀
  • ミディアムレンジ審判(Medium Range Category Referee) 小太刀・長剣フリー・二刀・長剣両手
  • ロングレンジ審判(Long Range Category Referee) 槍・棒
  • 1級基本動作審判
  • 1級主任審判
  • 1級検査役

  1級基本動作審判とは前述した通りですね。

  1級主任審判(主審)とは、主審と検査役の役割を理解して頂くためのものです。
現在は1コートには1名の主審、2名の副審、1名の検査役の計4名で裁定しています。10年くらい前までは検査役というものは無く、3名の審判で裁定を行っていました。その頃選手は判定に対して異議を申し立てることは出来ませんでした。選手は判定に対する不平不満があるとその場では言えずに場外で言うようになります。しかしそうなると不満が蓄積し、フェアなスポーツとは言えなくなるでしょう。後から不平を言うのではなく、その場で発言権を与えて、すべてその場で解決させようと言うことで、その仲裁役として検査役を設置しました。まだ経験が少ないこともありますが、検査役と主審とのコミュニケーションが上手く取れず、裁定にちぐはぐ感があったかもしれません。判定が割れたとき、主審は検査役に判定のアドバイスを受けたり、選手からの異議を検査役を含めた4名で聞き、その中からベターな答えを導き出す。このコントロールが上手くできて、スムーズな試合運びを行えるのが1級です。 必ず検査役と審判とのコミュニケーションを取るためには、試合の合間を利用してミーティング等を行い、反省や確認を取ることも必要でしょう。

  1級検査役も、1級主審審判員と同様ですね。双方が1級であれば良いですね。

  ショートレンジ審判(Short Range Category Referee)(短刀・楯小太刀)とは、 戦う距離が至近のため、審判の定位置では打突の有無を視認することが難しくなります。従いまして審判員は、選手により接近して有効打突を視認する事となります。しかも短刀の試合は、打突後も組み付いたり突くまくったりなど危険且つ、また剣先が相手の身体に触れたの、よけたのといったトラブルが常に付きまとい、見苦しい状況になる場合も多々あります。審判は「やめ」の発声のみではなく、自ら選手の間に割って入る「割り込み審判」等ができなければいけません。その場合、身体の大きな外国の選手にも同様に対応のできる練達した使術を持った俊敏な審判でなければなりません。
    楯小太刀も同じくショートレンジの攻防が多く、更に楯が邪魔をして審判から打突が見えにくいという状況があります。これも熟練をしないと視認がなかなかできません。


  ミディアムレンジ審判(Medium Range Category Referee)(小太刀・長剣フリー・二刀・長剣両手)とは、
   この4種目については、従来の小太刀審判員資格で審判をする事ができます。
   打突競技の小太刀審判は、旗の持ち方・上げ下げの仕方・渡し方・礼の仕方・裁定の方法というものが審判のベーシックコースであり、審判員試験で80点(100点満点)を取れば、後は実践の旗数により、小太刀・長剣フリー・二刀等の打突競技には十分に対応できる審判員が養成できます。
   この資格認定は、各地域審判講習会で既に実施していますので、現時点ではこのまま変更はありません。 但し、長剣両手は、特に別に採点して下さい。    留意事項として、かすり面を”浅い”としたり、素早い小手打ちを見逃したりといささか不満も残りますが、検査役と速やかに確認し、すり合わせをして頂けば宜しいかと思います。

  ロングレンジ審判(Long Range Category Referee)(槍・棒)とは、
   槍は剣先が揺れていると操作が難しい。剣先を止める練習からした方がいいでしょう。そして「一寸当て止め」をきちんと行わないと、審判をする方も難しいのです。「一寸当て止め」ができなければ、良い試合になりません。    また指導者に、上胴とはどこから上か、下胴とはどこからが下か、表とはどちらか、裏はどちらかと言った基本的な知識がないと、選手の指導もなかなかおぼつかないものです。    選手は、距離にかかわらず極めて至近距離から片手投げ突きすれば、例え当たったとしても後方へ抜ける事が多くなります。目標にピタッと止める練習をして、使術を習得しなければならないでしょう。    使術とは、やたら滅法に投げてまぐれで一本を取るのではなく、相手に当たったのを確認してから引き抜き”残心”を示す、これまでを含めて【技の完成】となるのです。

世界大会の審判団
世界大会の審判団



講習会が開催されるそうですが?


  2009年より「1級2級審判講習会・新指導者講習会」が開講します。
各地域で年2回以上開催予定ですので、インストラクター・師範・師範代の方々は受講して下さい。
スケジュールはホームページで確認して下さい。




有り難うございました。
来月はいよいよ世界大会です!!皆さん、張り切って頑張りましょう!!
次回のインタビューもお楽しみに!!

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