スポーツチャンバラ 田邊哲人会長のインタビュー
会長インタビュー No.92
「篭手(甲手 こて)の義務化」について

田邊哲人会長

篭手(甲手)について、お伺いします。

  以前より篭手(甲手)使用は禁止として参りました。その経緯と、今後の篭手(甲手)使用の義務化についてご説明します。

草創期の頃は芯に塩ビなどが入った小太刀を使用していたため、小手の負傷を防ぐための防具篭手(甲手)を使用していました。特に既存の他武道のものを使う人が多くいました。「小太刀護身道」で面打ちとは、前頭部は元より顔面打ちです。実際にそのような技術も教えていました。(「小太刀護身道」P45 (2)押打 〔迷任旅燹砲修虜△和症霪擦箸琉杣鐇錣盥圓辰討い董△海里茲Δ糞擦聾を奏していたのです。

(「小太刀護身道」 P45 (2)押打 〔迷任旅燹‐赦贈苅固頃の写真)
「小太刀護身道」 P45 (2)押打 〔迷任旅燹幣赦贈苅固頃の写真)

  数年後に私がエアーソフト剣を開発した後は、安全性も高まり得物の種類も増えました。そして篭手(甲手)を使用しなくても負傷の心配が無くなり、安全なスポーツとしての使術も生まれ変わりました。しかし旧態依然として「小太刀護身道」の技のような、小手で顔面を痛打する者もいました。それは、篭手(甲手)を装着し自分の小手を安全にすることで、躊躇なく飛び込み顔面を痛打するのです。これは偶発的に起こる場合もありますが、故意にやっている者も見受けられました。

  現在では、使術も高度となり負傷する者もいなくなりました。しかしながら特に短刀などは飛び込まないと一本が取れないので、相手の剣の硬い部分(把持する部分)が当たってしまうことがあります。特に「B群(楯小太刀・楯長剣・杖・棒・長巻)」と対戦する場合は注意が必要です。飛び込む、又は突進した瞬間に、相手の剣の硬い部分が自分の小手などに当たるような事故は想定内であり、想定外の事故ではありません。これは突発的事故ではなく、予測可能・予見可能なものです。従いまして「短刀」・「杖」・「棒」と対戦する際は、このような事故を未然に防ぐために、双方とも必ず篭手(甲手・グローブ)を装着することを義務化します。

  篭手(甲手・グローブ)には、防寒用グローブ(手袋)・打撃用グローブ(空手やボクシング等)・防御用(保護用)グローブなど目的が違うものがあります。スポチャンで使用する篭手(甲手・グローブ)は、手や手首の保護が目的です。単に手に装着すれば何でも良いという訳ではなく、打撃を目的としたグローブや、あまりにも斯道に相応しくない他武道の篭手(甲手)の使用は禁止いたします。

  当協会ではレザー製と布製の2種類の篭手(甲手)を公認用具としています。これらは剣も持ちやすく、手や手首も保護するもので協会として推奨しています。選手の方は自分で選択したもので手や手首等を防御し、安全にスポチャンを楽しんで頂きたいと思います。但し、手袋やゴルフグローブ、スキーグローブ等、他のスポーツのものを使用して事故が生じた場合、それらのメーカーでは“想定外のこと”とされ、補償の対象とはならないと思います。安易に考えず、未然に事故を防げるようしっかり自覚し、選択して下さい。

以上。

【用具のページはこちら】

「小太刀護身道」より(昭和48年頃の写真)
第42回世界選手権大会 短刀の部

第42回世界選手権大会 短刀の部



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